これから理学療法士を目指す方々の中には、「理学療法士の仕事は給料が安いといわれるけど大丈夫?」「子供もいるけど生活はやっていけるの?」と思っている人も多くいると思います。
結論から先に申し上げると、理学療法士の場合、共働きは必須です!
今回は、理学療法士の年収や他の医療職との比較、子育て世代の平均年収などデータを参考にしつつ、私の実体験などを交えて、理学療法士の働き方をお伝えしたいと思います。
理学療法士の平均年収は?
まずは理学療法士や他の医療職の平均年収を見ていきましょう。下記の表を見てください。
年収 | 月収 | ボーナス | |
全産業 | 506.94万円 | 34.67万円 | 90.9万円 |
医師 | 1436.47万円 | 109.07万円 | 127.63万円 |
薬剤師 | 577.87万円 | 41.75万円 | 76.87万円 |
診療放射線技師 | 536.97万円 | 36.74万円 | 96.09万円 |
臨床検査技師 | 508.49万円 | 35.14万円 | 86.81万円 |
看護師 | 508.17万円 | 35.21万円 | 85.65万円 |
理学療法士 | 432.52万円 | 30.09万円 | 71.44万円 |
栄養士 | 390.17万円 | 26.81万円 | 68.45万円 |
出典:「令和5年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を加工して作成
※記載は額面上の金額。手取りの場合は約75~85%の金額
厚生労働省の調査によると、全産業累計の平均年収は約506万円になります。
理学療法士の年収は約432万円で、全産業の平均年収より低い水準になっています。
他の医療職と比べても、年収で70万円以上の差があることがわかります。
次の表は理学療法士の経験年数別の年収をまとめたものです。
年収 | 月収 | ボーナス | |
0年 | 306.09万円 | 24.86万円 | 7.77万円 |
1~4年 | 368.74万円 | 25.41万円 | 63.82万円 |
5~9年 | 401.65万円 | 27.74万円 | 68.77万円 |
10~14年 | 447.34万円 | 30.63万円 | 79.78万円 |
15年以上 | 501.49万円 | 33.85万円 | 95.29万円 |
出典:「令和5年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を加工して作成
※記載は額面上の金額。手取りの場合は約75~85%の金額
理学療法士は年齢に関係なく、経験年数で給料が上がっていきます。新卒でも社会人から転職したとしてもスタートは同じです。
初年度はボーナスが少額もしくは支給されないところも多く、年収は少ないです。病院の規模や地域によっても差があります。
2年目以降はボーナスも満額支給されますので、そこから経験を積み上げ、出世するなどキャリアを積んでいけば年収も徐々にアップしていきます。

私の本業の給料は、5年目に理学療法士の平均年収を超えましたが、それ以降は頭打ちで、ほとんど横ばいです・・・(泣)
子育て世代の平均年収は?
児童のいる世帯 | 1世帯当たりの平均所得 |
児童のいる世帯の平均 | 812.6万円 |
1人 | 765.7万円 |
2人 | 862.7万円 |
3人 | 842.7万円 |
児童のいない世帯 | 473.3万円 |
出典:厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況
※記載は額面上の金額。手取りの場合は約75~85%の金額
厚生労働省の調査によると、児童のいる世帯の平均所得は約812万円です。
子供が1人いる場合と2人いる場合の平均年収は約100万円の差があります。子供が増えると生活費や教育費などの負担も増えることから収入も必要になることが考えられます。
子供が2人の場合と3人の場合、世帯の平均年収の差は殆どありません。自治体によりますが、子供が3人目以降だと児童手当の金額が増えたり、保育園料が減額されたりなど、自治体などの制度をうまく活用して経済的負担を減らしている家庭もあるようです。
理学療法士の場合、共働きは必須!
前述の通り、理学療法士の平均年収は全産業の平均を下回り、子育ての世帯の平均年収の約半分程度の割合のため、共働きは必須と言えます。
実際、私の職場やアルバイト先の子育て世代の同僚や先輩たちを見ても、共働きの世帯がほとんどです。
さらに収入を増やすために、
・休日に別の病院やクリニックでアルバイトをする
・株やFXのトレード
・YouTubeで動画配信
・せどり
・セミナー講師
・書籍出版
など、本業以外で副業収入を得ている人も多くいます。
逆に、本業一本で働いている人の方が少ない印象です。

ちなみに私もクリニックで訪問アルバイトと、老人ホームの当直アルバイトのトリプルワークをしています。
実際働いて感じること
私も実際働いて感じることですが、理学療法士の年収は「低い」というより、ある程度、経験年数を積んでも給料は頭打ちになる傾向にあります。
一つの病院で長く勤めて給料が上がっていくというのは難しい状況です。
そのためか、ある程度経験を積んだ人で年収アップを求める人は、比較的給料の良い、インセンティブのある訪問看護ステーションなどに転職する人も多く見てきました。
ちなみに、私の妻は扶養内で働いていて、保育園に通っている子供が1人います。
私どもの世帯年収は、子供1人の世帯の平均年収約750万円を大幅に下回りますが、マイホームとマイカーも所有し、適宜、外食もしています。
貯金や積立NISAも少しずつ運用出来ており、家計をやりくりすれば、それなりの生活を送ることは可能です。
みなさん、将来的な収入の不安を抱えつつも、共働きや副業などで色々とやりくりをしながら働いています。
まとめ
・理学療法士の年収は全産業の平均年収より約70万円低い
・子育て世代の平均年収は約820万円で、片一方の理学療法士の年収だけでは生活は難しく、共働きは必須である
・理学療法士の給料は経験年数を積んでも頭打ちになる傾向があり、1つの病院で長く勤めても給料アップは難しい状況である
・年収が低いながらも、共働きや副業、資産運用など、家計をやりくりすれば、それなりの生活は出来る
以上でこの記事は終わります!
今回の記事が参考になればうれしいです!
最後までご覧いただきありがとうございました!
では、そういうことで!